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電車に乗っているとき、散歩をしているとき、移動することで視点が移り変わり、見えてくる風景も変わる。人間は移動する。一箇所にとどまり続けることはない。立ち止まっているように見えて、身体は前後左右に揺れ動き、視線は別の方向へと動き続ける。完全に静止することはない。空間、身体、感覚の関係性を捉えるために、レンチキュラーレンズを使って空間の移動とイメージの変化を連動させた作品を制作した。移動することでイメージが変化する。正面で立ち止まるのではなく、移動しながら鑑賞することになる。一歩動けば、イメージが変化し続ける。これは、移動しながら鑑賞し、移動しながら考えるための作品。