仕事の休憩中にゴダールの本を読む。読んでいると作りたくなる。いい文章だ。
私の三本の映画は、結局のところいつも同じ主題を扱っている。わたしの主人公は、ある考えを抱くとその考えを徹底的に進もうとする。わたしが好むのは、日記の原理である。たとえば、わたしが小説の構想をねっているとして、その間の私の生活……いわばその二週間のわたしを映画にしてみたいと思う。それでいい。わたしは小説を書こうとする、書き上がるかどうかはわからない。ともかくそれは、小説を書こうとしている間のわたしの生活であり、わたしが見たり話したりする人たちであり、小説を書こうとしているわたしの姿である。わたしは小説を書くにはどうしたらいいのかをサルトルにききに行く。彼とインタヴューする……というぐあいだ。
ジョン・コレ「ゴダール」竹内健訳 、三一書房、項116