2023.07.30_日記

家を出る前に電車の中で読めそうな本を選ぶ。本棚にあった滝口悠生の「茄子の輝き」をまだ全部読めていないことを思い出したのでバックの中に入れた。電車での移動中、「今日の記念」という短編を読んだ。石巻駅について電車を降りると、車内の冷たい空気と外の熱気が混ざり合ったぬるい風が肌にまとわりついた。今日も暑い。太陽にジリジリと肌が焼かれているのを感じる。駅前を歩きながら去年はこんなに暑かっただろうかと思い去年の暑さを思い出そうとしたがぼんやりとしか思い出せなかった。去年のこの時期に、去年はこんなに暑かっただろうかと(つまり一昨年の今頃)思った記憶はないので、おそらく去年より今年は暑い。ギャラリーに到着してオープンの準備をして、とりあえず扇風機で涼む。遠くで蝉が鳴いている。

もっと石巻の作家を中心に批評的な文章を書いていってもいいのかもしれない。有馬さんに勧められてそう思った。ただ批評という枠組みで書こうとすると書けない気がするし批評を書きたいという感じでもない。批評に親しんできたわけでもない。もっと広い散文的なテキストを書いていければいいのかもしれない。批評でも、感想文でも、評論でもない。そういうものが書けないだろうか。その都度ちゃんとチャレンジがあるテキストを書く。
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